漢字の「犬」がどうやってできたかご存知でしょうか?
ふだん何気なく使っている「犬」の漢字は、どういう成り立ちでできたのでしょうか?
実は、漢字の「犬」の成り立ちは犬の姿が元になっているのです。
また、たくさんある「犬」の文字が入り漢字の成り立ちにもそれぞれ意味があることをご存知でしょうか?
さらに「犬」のほかにもワンちゃんを現す漢字があって、それらについても調べてみました。
ここでは「犬」という漢字にまつわるさまざまな話をご紹介します。
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「犬」という漢字の成り立ちとその意味は?
立つ犬 pic.twitter.com/Bdp7JfL32R
— 壁 (@ka_bextu) September 8, 2023
中国から日本に伝わった漢字には、象形文字・指事文字・形声文字・会意文字の4種類がありますが、この漢字はその分類の中の象形文字に該当します。
犬が後ろ足で立ち上がった状態を横から見た姿とされ、右上の点はその状態での耳を表していますが、点が一つなのは立ち上がったところを横から見た姿をモチーフにしたためです。
ワンちゃんたちは古代から人間の良き友として、家族の一員として一緒に生活してきましたから、家族に甘えようと立ち上がって寄りかかる姿を、そのまま文字にしたのかもしれませんね。
あるいは、猟犬が木に登った獲物を見上げて、木に寄りかかって吠えている姿を表しているとする説もあります。
「犬」の読み方と使い方による意味の違いとは?
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札幌から青森へは、乗車訓練もかねてJR🚃と新幹線🚄で移動。
盲導犬は、足元で伏せておとなしくしています。JRのスタッフさんはとても親切に対応してくださるので安心です。 pic.twitter.com/0UZfHNIWCe— (公財)北海道盲導犬協会 (@HGDA_moudouken) September 9, 2023
音読みでは「ケン」、訓読みでは「いぬ」と読み、画数は4画です。
また、一般的ではありませんが「犬子」とかいて「えのこ」と読むことがあります。
この字が使われる言葉の意味にはおおよそ次の5つがありますが、良い意味のものは少ないのが残念ですね。
- イヌ科の哺乳動物として:愛犬・番犬・盲導犬など
- むだで役に立たないとして:犬死になど
- つまらないもの:犬馬(けんば)など
- 回し者・スパイ:警察の犬・経営者の犬など
- 卑しめて軽んじる:犬侍(いぬざむらい)など
犬を表す漢字の種類
酉年生まれの鳥と戌年生まれの犬 pic.twitter.com/uZ7V787sKb
— にっこ (@hanamorinicco) December 29, 2018
「いぬ」と読む字はほかにもあって「狗」と「戌」が知られていますが、それぞれできた過程や意味が違います。
「狗」は犬の体の大きさで使い分け
部首をみると「けものへん」に「句」と書き、「句」は小さくかがんだ状態を表しています。
つまり「小さくかがんだけもの」という意味になって、小型のワンちゃんのことを指す字なのです。
ただ、現在ではとくに小型のワンちゃんを「狗」と表わすことがほとんどなく、一般的ではありません。
「戌」はそもそも犬のことじゃないってホント?
これはそもそも旧暦で9月を表しているとされ、「作物を収穫してまとまる」との意味のほか、「滅(ほろびる)」を表していて草木が枯れる状態を指しているとの見方もあります。
そのほか「戌年」を「いぬどし」と読むのは、昔の中国で十二支に動物の名を割り当てた際に「いぬ」と呼ぶようになったからとされています。
ただ、なぜ十二支を動物名で呼ぶようになったのか、なぜ「戌」にワンちゃんをあてたかについてはさまざまな説があってはっきりとわかっていません。
「犬」が使われている漢字、なかには難しい漢字も!
犬は怒ると吠える。
楽しいと声を立てずに笑う。 pic.twitter.com/4FowzhDO5q— 東雲 鈴音🍁 (@goen0414) September 12, 2023
部首ではありませんが、つくりに使われている字はたくさんあって、吠(ほえる)・哭(なく)・伏(ふせる)・嗅(かぐ)など、見れば何となく意味がわかる動詞があります。
また、獄(ごく)・厭(いや)などのあまり好ましくない意味の漢字もあり、献(ささげる)はワンちゃんをいけにえにしたことが語源だそうで、ワンちゃんたちには気の毒な意味ですね。
「犬」が使われている難しい漢字
「猋」という漢字をご存知でしょうか?
この漢字を読むことができてその意味を知っていたら、漢字検定1級以上かもしれません。
答えは「つむじかぜ」で、「ひょう」や「はしる」とも読めるそうです。
これはワンちゃんたちが群がって走る様子を、つむじ風が吹く様子に重ね合わせているとされています。
ちなみに、このように同じ漢字を3つ組み合わせて作られている漢字のことを、「品」の字に例えて「品字様」と呼ぶそうです。
「犬」の漢字が使われていることわざはたくさん!
愛犬が遊んでってせがむのでお正月出来なかったカルタとりを…(;゚;ж;゚; )ブッ
☆犬も歩けば
棒にあたる☆
wwww…(*^^*) pic.twitter.com/OsXQolfMs5— 凛 🎀 (@rinrin11953) January 19, 2017
人間にとって身近な動物のであるワンちゃんが登場することわざは、30以上あると言われていますが、ここではよく耳にする代表的なものを3つご紹介します。
こちらも漢字の意味とおなじように、あまり良くない意味のものが多いので、ワンちゃん好きには残念ですね。
犬も歩けば棒に当たる
「何かをしようとすれば、思いがけない災難に遭うものだ」との意味ですが、その反対に、「思いがけない幸運に出会う」という良い意味に使われることもあるようです。
負け犬の遠吠え
争いに負けた人が、誰みても明らかに負けているのに負けを認めないと主張することや、陰で悪口を言うことのたとえです。
犬に論語
「犬にありがたい論語をどんなに熱心に説いて聞かせても理解できない」という意味で、「無駄なこと」のたとえで「猫に小判」、「馬の耳に念仏」、「豚に真珠」など、ほかの動物でたとえたものもあります。
「犬」の漢字の成り立ちとは?その意味と種類をご紹介!まとめ
「犬」の漢字の成り立ちに、人間との関わりの深さが関係していることがわかりました。
それもただ四つ足で立っている姿ではなくて、人に寄りかかっている様子を表しているのだとしたら、ほほえましくて犬好きには嬉しいことですね。
また、「犬」が使われている漢字の成り立ちには犬の様子や仕草が関係していることも、一緒に暮らしていて観察されていたからなのでしょう。