世界で一番硬い食べ物としてギネスブックに載る「鰹節」。その硬さはなんと宝石のトパーズと同じくらいの硬度とも言われている。
鰹節といえば、白いご飯にたっぷりのせ、醤油をたらした「鰹節ごはん」のほか、素材に豊かな風味と深い味わいを与える「出汁(だし)」引きとしても馴染みのある食材だ。
煮物から汁物などさまざまな料理に活用でき、且つ本格的な味わいの一品が作れる鰹節。もちろん鰹節は犬にとっても安心して与えられる食材の一つとして知られている食材なので、愛犬の食事にも活用されている飼い主さんも多いことだろう。
そこで今回は、鰹節の魅力について今一度おさらいしておきたい。
栄養豊富な鰹節
鰹節はとても栄養価の高い食品だ。
筋肉・血液・骨を作るもとになり、人や犬の体に欠かすことのできないタンパク質をはじめ、リン、カリウム、ビタミンDなどをたっぷりと含んでいる。
ほかにも、脂肪の酸化を防ぎ動脈硬化の予防に効果的なビタミンをはじめ、鉄分やカルシウム、マグネシウムといったミネラルも含んでいる。栄養いっぱいでしかもヘルシーな食品、それが鰹節なのだ。
カリウムが豊富
鰹節にはカリウムが豊富に含まれている。
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
近年、高血圧や脳卒中の予防などにもつながる重要な栄養素としても注目されているようだ。
また、鰹節は他にもカルシウム、マグネシウム、リン、鉄といった、実に様々な種類のミネラルも含んでいる。
基本的にミネラルは、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」の3大栄養素の機能をサポートしてくれる大切な成分。
犬の体調を整えるのはもちろん、骨や歯など体の組織を構成する働きもあるというのも嬉しいポイントではないだろうか。
脂肪分が低く低カロリー
鰹節のカロリーは100g当たり約356kcalほど。これを削り節にしたらかなりのボリュームだが、だいたいひとつまみで2~3g程度、カロリーにして約7~10.5kcalと考えていただいていいだろう。
しかも、鰹節自体の脂肪分もわずか3%というヘルシーさも特徴だ。栄養価が高くヘルシーな鰹節は、健康を維持しながらのダイエットにも使えそうだ。
意外にも塩分は含まれていない
鰹節と聞くと、もともとが海の産物であるため塩分が高そうなイメージがあるが、100gあたりの食塩相当量は0.3g程度と意外にも塩分は含まれていない。
塩分の摂り過ぎを心配する飼い主さんにとっては朗報ではないだろうか。
鰹節の与え方
与える量は「ひとつまみ」程度
前述したように、鰹節のカロリーは100g当たり約351kcalほど。かつお削り節ひとつまみ2~3g(約7~10.5kcal)と考えると、犬の食事に与える量としては、これくらいの量がちょうどいいだろう。
ただ、鰹節といっても薄く削った「薄削り」や主に出汁を引くのに使われる「厚削り」、香り付けやトッピングに使われる「粉末品」など、いろいろなタイプが存在する。
犬の食事に加える場合は、厚削りタイプのものは硬いので、薄削りや粉末といった柔らかく消化にいいタイプを選ぶようにすると良い。
鰹節の出汁(だし)を活かすのもアリ
もちろん鰹節で引いた出汁をドックフードや手作り食に加えるのもOK!
食事に水分も加わるため、具材も柔らかく食べやすくなるのでオススメだ。食欲が低下していると感じた時や水をあまり飲まない、といった時にはぜひ試してみて欲しい。
また、だしに適しているかつお削り節としては「花かつお」が良い。旨味がしっかり出るのが特徴なので、出汁を引く目的で選ぶ場合は参考にしてほしい。
花かつおはスーパーなどで手軽に入手することができる。
いっそ鰹節を削り器で削ってしまうのも手
削り器で鰹節を削る…、身近でそんな光景を見ることは少ないかもしれないが、自宅で削れば市販の(すでに削られた)削り節にはないしっとり感と風味を楽しむことができる。
最近では犬用の鰹節も多く見かけるようになったが、素材に満足いかないという方はぜひ試してみて欲しい。削りたての鰹節ならとびきり極上の味わいにきっと驚くはずだ。
ちなみにだが、「本枯節」といわれる、カビ付けと天日干しを半年ほど繰り返しつくられる鰹節と削り器がセットになったものも販売されているので紹介しよう。
ちきり清水商店 鰹節削り器セット KO-200(かつ節2本入り・鹿児島産) 新品価格 |
使い方はいたって簡単。まずは、鰹節をキッチンペーパーなどで表面を拭き取り、頭の方から削っていくだけ。最初は細かい粉になるが、刃が当たる面が大きくなるにつれ、しゅるしゅると大きく削れていく。
削っているうちに感じるのは、なんともいえない良い香り。ふんわり漂う鰹節本来の匂いは、食欲をそそること間違いなしだ。
さいごに
鰹節でだしをとると言っても、「一番だし」「二番だし」「合わせだし」の3種類がある。
沸騰直前の湯に削り節を加え、入れ終わったら即座に火を止めたものが一番だし。その一番だしをとった後の削り節を、弱火にかけてじっくり煮出したものが二番だし。
さらに、前日から水に入れ置いた昆布と削り節を合わせる合わせだしと、それぞれ風味や旨味も変わってくる。
だしの取り方は、一見すると難しく面倒なイメージだが、やってみると案外誰にでもできる料理の工程だ。作り置きで冷凍保存もできるので、愛犬と自分の好みに合っただしを引いてみてはいかがだろうか。
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