犬はふきのとうを食べても大丈夫?栄養価は高いけど、毒があるって本当!?

犬 ふきのとう 蕗の薹 食べる 中毒 与える
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犬 ふきのとう 蕗の薹 食べる 中毒 与える

春の季節にしか口にできない「ふきのとう」。

四季を感じさせる食材の中でも、最も印象の強い山菜だと言えるのではないだろうか。

地域によって若干の差はあるが、だいたい1月~3月頃から雪解けとともに大地から顔を出してくる。1年でも早い時期にお目見えするふきのとうは、春になると道端や公園などでも見ることができる。

それほど量を食べる物ではないが、なぜか春が近くになるにつれて食べたくなる、そんな山菜だ。

 

とはいえ、犬にとってはどうなのだろう?

せっかくの春の味覚をお裾分けしたいが、与えても大丈夫なのか気になる方もいるのではないだろうか。

そこで今回は、ふきのとうの成分や与え方などについて探ってみよう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

ふきのとうって何?

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ふきのとうは日本原産の山菜で、北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布し、比較的全国で見ることができる。

似たような名前の「ふき」と呼ばれる植物があるが、「ふき」も「ふきのとう」はどちらも同じ植物。花が咲いた状態をふき、つぼみの状態をふきのとうと呼ぶのだ。

 

主に山では沢や斜面、川岸、林の際などで多く見られるが、郊外でも河川の土手や公園にも見られる。水が豊富で風があまり強くない土地を好んで繁殖する。

ふきのとうの方が栄養価は高いと言われているが、独特の風味と強めの苦みを感じるのが特徴でもある。

一般的には花が咲いた状態のふきのとうを食べることは避けられているが、細かく刻んで油味噌に絡めた「ふきのとう味噌」などに用いられる場合もあるようだ。

 

ただし、ふきのとうを大量に食べるのはNG。

実は、ふきのとうにはぺタシテニン(別名:フキノトキシン)という肝毒性の強い成分が含まれている。

ふきのとうの栄養

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春の息吹を感じさせる独特の香りはフキノリドと呼ばれる成分によるもの。これには胃腸の働きを整えてくれて、消化も促進してくれる作用があるようだ。

ふきのとうが食卓の主役になることはほとんどないが、他にはどんな栄養が含まれているのだろう。ここでは、ふきのとうのに含まれる栄養について確認していこう。

 

ビタミンB群

ふきのとうには、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン(B3)、葉酸、パントテン酸などのビタミンB群が含まれている。

ビタミンB群は基本的には炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に必要な成分である。つまり、人や犬にとっても生きるためのエネルギーを作るには欠かせない栄養素でもある。

B群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくい成分。互いに助け合ってその機能を発揮するので、一つだけの大量摂取よりもバランスよく摂取することが大切だ。

 

 

カリウムが豊富

ふきのとうには100gあたり740mgとカリウムが豊富に含まれている。

カリウムには、利尿作用があるほか、血圧を下げる働きにも良い効果を与えてくれる大切な栄養素。欠乏すれば「低カリウム血症」を発症し、子犬で情動不安および筋麻痺などが報告されているほどだ。

 

しかし、カリウムは犬にとっても大切な成分であることは間違いないのだが、過剰に摂取すると逆に「高カリウム血症」の原因になってしまうので注意が必要である。

 

 

様々な種類のミネラルを含んでいる

ふきのとうはカリウムの他にも、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄といった、実に様々な種類のミネラルを含んでいる。

基本的にミネラルは、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」の3大栄養素の機能をサポートしてくれる大切な成分。

犬の体調を整えるだけではなく、骨や歯など体の組織を構成する働きもあるので、犬の成長には欠かすことができない成分である。

 

ふきのとうを犬に与える上での注意事項

このように栄養価が高いふきのとうではあるが、実は犬に与えるには適していない一面もあるようだ。ここでは、その理由について説明する。

 

ぺタシテニン

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ふきのとうはアクが強いので生で食べることはまずないだろうが、ぺタシテニン(別名:フキノトキシン)という肝毒性の強いアルカロイドが含まれている。

そのため人の場合、アク抜きをしっかり行うのと、大量摂取に気を付けなければならない。犬は人間より体が小さいため、ぺタシテニンによる影響はその分大きくなると考えるべきだろう。

 

摂取しすぎると人によっては下痢を引き起こすこともある。犬も同様、少量であれば問題ないだろうが、体に悪影響を及ぼす可能性もあるので与えるのは避けた方が無難だ。

 

 

「雄花の花粉」アレルギー

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ふきのとうは、雌雄異株(しゆういしゅ)で、雌花と雄花で別々の株がある。

あまり知られていないが、「雄花」の花粉が原因によるアレルギー反応が人の場合では多く確認されている。

ふきのとうは、苞(ほう)に包まれた花の部分ごと食べることが多い食材でもある。加熱してもアレルギー症状は出るので、一番の対処法は雄花を食べないということ。

ちなみに、ふきのとうはキク科フキ属の植物。他にキク科の野菜にはゴボウ、春菊、レタスなども該当する。これらの野菜でアレルギー反応があった場合は関連しやすいので注意したい。

 

 

ふきのとうに似た植物に注意

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ふきのとうと同時期に芽を出す山菜に、毒草である「ハシリドコロ」というものがある。

ハシリドコロは全草すべてが有毒。特に根や根茎には有毒成分が多く、誤って食べてしまった場合は錯乱症状を引き起こすという恐ろしい植物だ。

ちょうど新芽の出るタイミングが重なるうえ外見も似ているため、誤食されやすい。ふきのとうを自分で取りに行く際は、間違っても取らないように注意したい。

 

 

さいごに 

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春の訪れを感じさせてくれる食材ではあるが、食べ方や量によっては有毒となる場合もあるようだ。

体にいい栄養素を多く含んでいるので、愛犬の食事にも加えてあげたいところだが、与える際には十分に注意する必要がある。

与えないのが一番だが、もし「少しだけお裾分けしたい…」という場合は、しっかりアク抜きをして茹でる。そして、与える部分はエグミの少ない花の周りの葉っぱを少量だけにするといいだろう。

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