大豆イソフラボンなど、健康効果に注目が集まったこともあり、数年前からブームが続いている「豆乳」。
最近では若い女性たちを中心に、豆乳✕抹茶のフードシナジー(=食べ物の相乗効果)でも話題になっているほどだ。
豆乳の原料は「大豆」。大豆はタンパク質なので、ペットフードにも使用されている材料でもある。そのため、犬に与えても…、と思ってしまうところだが、実は与えていい種類、与えるべきではない種類があるのはご存知だろうか。
みなさんも、パッケージで一度は目にしたであろう「無調整豆乳」と「調整豆乳」。今回お届けするのは、この2つの異なる点。
犬に与えるならどちらの種類か。無調整と調整豆乳、どのような差があるのか詳しく解説していこう。
無調整豆乳と調整豆乳はどう違う?
まず、豆乳とは大豆から絞りとった乳状の液体のこと。牛乳に似た外観と食味がある以外にも、大豆特有の青臭さがあるのが特徴だ。
この大豆特有の風味を好む人も多いが、飲みづらいと感じる人もいるため、果汁を加えたり、砂糖などで甘みを加えた種類も販売されている。
こうして飲みやすく仕上げたものが、「調整豆乳」と呼ばれるもの。果汁や砂糖以外にも、塩などを添加してより飲みやすく仕上げた商品も市販されている。
一方の無調整豆乳。その名の通り「調整がなされていない豆乳」のこと。
JAS規格により、原材料に大豆以外のものを使用していないこと、大豆固形分が8%以上のものであることが定められている。
豆乳は大きく分けて2種類。大豆の絞り汁オンリーなら「無調整」、それに何かを加えたものは「調整豆乳」と覚えておこう。
犬に与えるなら「無調整」と「調整豆乳」のどっち?
勘の鋭い方ならすでに察していると思うが、犬に与えるなら無調整豆乳をチョイスしよう。
無調整豆乳は、調整がなされていない大豆そのものの状態なので、豆本来の味を与えることができる。
また、栄養面でも微量だが差が出る。やはり大豆そのものを絞った無調整のほうが上なのだ。
一方の調整豆乳には、糖類や食塩などの調味料が加えられているので犬に与えるには適していない。
こちらもJAS規格で原材料として許可されているのは、大豆のほか、食用植物油脂、砂糖、食塩などの調味料など。糖分や塩分が含まれている分、カロリーもやや高めなので、犬には不向きだと言えるだろう。
豆乳にはどんな栄養が含まれている?
タンパク質
タンパク質は犬の身体をつくるうえで、1番多く必要な栄養素だ。
動物の身体のおよそ20%がタンパク質などのアミノ酸からできている。体内バランス、皮膚、毛なみ、免疫組織など、犬の健康を維持するうえでタンパク質は重要な成分なのだ。
イソフラボン
イソフラボンはフラボノイドと呼ばれるポリフェノールの一種。
近年では「植物エストロゲン」とも呼ばれていてフラボノイドの中でも珍しく女性ホルモン(エストロゲン)とよく似た働きがあると注目を集めている。
その働きは、骨粗鬆症や循環器系疾患の予防に効果があるとされる。
モリブデン
モリブデンはミネラルの一種で、肉類には含まれていない成分だ。
糖質や脂質、旨味成分のプリン体の代謝をサポートするほか、造血を促す働きを持っているため、肥満防止や貧血予防に期待ができる。
銅
銅もミネラルの一種。モリブデンと共に鉄の吸収や働きを高めてくれるため、貧血予防にも一役買ってくれる。
また、銅はメラニンの合成にも深く関わっており、不足すると犬の被毛の色が白く抜けてしまうこともあるという。
豆乳を与える上で注意すべきこと
下痢に注意する
大豆を絞る段階で食物繊維はほとんど除去されているが、豆乳の90%は水分なので、一度に大量に飲ませると下痢をする可能性がある。
愛犬のお腹を冷やさないよう、冷蔵庫から出したばかりの豆乳は避け、常温に戻した豆乳を与えるようにしよう。
また、無調整豆乳のデメリットとして挙げられるのが、調整豆乳に比べると加熱に弱く、分離しやすい点。鍋で温める際は、沸騰させずに軽く温める程度が良い。
食物アレルギーがないか様子を見守ろう
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。
初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。
さいごに
豆乳は、大豆の絞り汁だけで作られる無調整豆乳と、砂糖や塩などを添加した調整豆乳がある。
愛犬に与えるなら無調整豆乳がおすすめだが、実は街の豆腐屋さんで販売している「しぼりたて豆乳」もおすすめ。
大豆特有の豆っぽい匂いや、風味が苦手だという飼い主さんにとっては飲みにくいかもしれないが、豆腐屋の新鮮なものを飲んだら概念が変わるかもしれない。
市販のものも手軽で便利だが、しぼりたて新鮮な豆乳もぜひ愛犬と味わってみてほしい。
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