「土用の丑」でお馴染みのうなぎ。
脂がのって栄養たっぷりのうなぎは、土用の丑の日以外にも食べたいスタミナ食材だ!
しかし、気になってしまうのが値段。2014年に絶滅危惧種に指定されたうなぎは、今や価格が高騰し気軽に購入できない存在となってしまった。
一方、長年謎とされていたうなぎの生態だが、日本の研究チームによって産卵場所が西マリアナ海嶺付近であると特定され「うなぎの卵」を発見することができたのだという。
今後の研究に期待が高まる中、美味しいうなぎを心行くまで楽しめる日が早く来ますようにと願うばかりだ!
今回は、犬がうなぎを食べれるかどうか基本的なことや、栄養と効能などについて説明したい。
うなぎは犬にとっても栄養価が高い食材!
うなぎが身体によいとされる理由は、ビタミンA、B群、D、E、DHA、EPAなど身体に大切な栄養素が豊富に含まれていることにある。しかも低カロリーなため、実に理想的な健康食品なのだ!
もちろん、これらの成分は犬にとっても害があるどころか嬉しい栄養素でもあるため、うなぎを与えても問題ない。
とはいえ、スーパーで売られているのは加工された「蒲焼き」が主流。
香ばしい匂いと甘辛いタレは、私たちにとっては魅力的でも犬にとっては味付けが濃く塩分や糖分が多いようだ。そのため、タレは洗い流してから与えるといいだろう。
それでも気になる方は、沸騰したお湯で茹でるよい。塩分や糖分もさらに控えたい場合はオススメだ。
犬にとっても嬉しい!うなぎの驚くべき栄養とは
ビタミンA
ビタミンAは、動物由来のレチノールと、植物由来のβカロテンに区別される。うなぎに含まれるビタミンAはレチノールに区別され、活性化ビタミンであるため体内で変換する必要がない。また、脂溶性であるため、油と一緒に調理することで体内での吸収率が高まるのが特徴である。
ビタミンAには粘膜を強く丈夫にする作用があることから、目・口・鼻・喉・皮膚などの健康維持をサポートしてくれる。また、体を酸化から守ってくれる抗酸化作用をもち、ガンの抑制効果もあるとされている。
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。
ビタミンB2 (リボフラビン)
糖質、脂質、タンパク質を分解する酵素のサポート役として働く。
別名「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしてくれる。ほかにも、皮膚、被毛、爪などの細胞を作るためにも必要と言われている。
ビタミンD
食べ物以外にも日光を浴びることにより、体内でもある程度は作ることが可能なビタミン。しかし、犬は被毛があるため人間に比べて作られる量は少ないという。
ビタミンDは、骨や歯の健康には欠かせない、カルシウムやリンの吸収をサポートし、血中カルシウムの濃度をコントロールする働きがあると考えられている。
犬は人間よりも必要量が多いと言われているので、不足しないよう摂取したい。
DHA
DHAは、脳や網膜などの組織を構成する成分でもあることから、脳の健康を維持して学習能力や記憶能力の向上、目の網膜や視神経での情報伝達の円滑、視覚回復のサポートなどにも期待がもてる。
また、高齢犬の認知症予防にも効果があるといわれている。
EPA
DHA、EPAは共に「オメガ3系高度不飽和脂肪酸」という栄養素であり、科学的な構造も似ているため同じ効果を示すことがあるという。
EPAの主な働きは、血液中の善玉コレステロールを増やしてくれる作用がある。血管・血液の健康維持には重要な成分であり、血栓を予防してくれる効果があるとされている。
意外にも白焼きの方がカロリー高め!?
土用の丑の日になると、タレがついていない「白焼き」もスーパーに並ぶようになる。
当然、タレはつけずにそのまま「素焼き」しているので、うなぎ本来の旨味を味わうことができるのだが、蒲焼きに比べ意外にもカロリーが高い。
- うなぎの蒲焼き(100gあたり)・・・293kcal
- うなぎの白焼き(100gあたり)・・・331kcal
その理由は、焼きの工程にあるようだ。白焼きの場合は1回しか焼かないのに対し、蒲焼きは白焼きにしたものにタレをつけ、さらに焼いていく。つまり、焼きの回数が増えることにより余分な脂やカロリーも落ちているのだ。
一見、タレがついている蒲焼きの方がカロリーが高いと思われがちだが、白焼きの方が高め。太り気味の犬は控えめにした方がいいだろう。
さいごに
うなぎは産卵時期になると驚くべきパワーを発揮することも分かってきている。
産卵期になると、あるホルモンの分泌をきっかけに昼夜問わず泳ぎ続けることができる「ナイトレストレス」状態になり、2000km離れたマリアナ海嶺付近まで、あの細い体で泳ぎ切るのだという。
うなぎに秘められたスタミナ源となっている理由は、その驚くべき生態にあるのかもしれない。とても栄養価の高い食材だが、年々天然ものが減少傾向にあるのも悲しい現実だ。
そうそう贅沢もできないが、たまには奮発して愛犬と一緒に味わいたいものだ。