古くは奈良時代(710~784年)に中国から伝わったという豆腐。
その柔らかな食感と淡白で癖のない豆腐は、もはや日本人の食卓には欠かせない存在となっています。
しかも豆腐は、低カロリーで糖質量がほとんど0。そのうえ良質なタンパク質を含むので、毎日でも食べたくなりますよね。
そんな豆腐、愛犬に与えても大丈夫なのでしょうか?今回は犬と豆腐の相性について解説していきます。
それでは早速見ていきましょう!
豆腐は犬に与えても大丈夫です
一見すると、栄養が低いように感じてしまいますが、実はかなり栄養豊富な食品です。
犬にとって大切な栄養素であるタンパク質をはじめ、健康をサポートする様々な栄養素が含まれています。
その上、豆腐の80%以上は水分でできており、消化に良く吸収率が高いのも特徴。豆腐は犬にとっても優しい食べ物といえるでしょう!
豆腐にはどんな栄養素が含まれているの?
豆腐とは、大豆の搾り汁である豆乳に「にがり」などを加えて凝固させたもの。
原料に使われている「大豆」は消化のあまり良くない食物とされていますが、豆腐に加工されるとその吸収率は極めて高く、92~98%が消化吸収されると言われています。
次に栄養面。せっかく吸収に優れているのですから、犬にとってどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
タンパク質
タンパク質は犬の身体をつくるうえで、1番多く必要な栄養素です。
動物の身体のおよそ20%がタンパク質などのアミノ酸からできていますので、体内バランス、皮膚、毛なみ、免疫組織など、犬の健康を維持するうえで重要な成分になります。
イソフラボン
イソフラボンはフラボノイドと呼ばれるポリフェノールの一種。近年では「植物エストロゲン」とも呼ばれていて、フラボノイドの中でも珍しく女性ホルモン(エストロゲン)とよく似た働きがあると注目を集めています。
その働きは、骨粗鬆症や循環器系疾患の予防に効果があると言われています。
サポニン
特にマメ科の植物に多く含まれているサポニン。大豆サポニンには強い抗酸化作用があり、肝機能を守る働きがあるほか、血液中のコレステロールや脂肪などを洗い流してくれる働きもあります。
リノール酸
リノール酸は、皮膚からの水分喪失を防ぐ働きがあり、皮膚のバリア機能に欠かすことのできない成分です。
木綿豆腐と絹ごし豆腐、与えるならどっち?
「木綿豆腐」は木綿でこしたもの、「絹ごし豆腐」は絹でこしたもの、と思いがちだが、これらの違いはこす布の違いではなく、作り方に違いがあります。
作り方が違えば、当然食感にも違いはでてくるもの。木綿豆腐は豆乳に凝固剤を加え、一度固めたものを型箱に流し込み、圧力をかけながら水分を切り再び固めて作ります。そのため、しっかりした食感と舌触りが特徴。
一方の絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤を加え、そのまま固めて作ったもので、きめ細かく、なめらかな舌触りになります。
しかも、木綿豆腐と絹ごし豆腐では栄養価が違うんです。では具体的にどう違うか比べてみましょう。
木綿豆腐
木綿豆腐は作る過程で圧力をかけながら水分を切るため、栄養分が圧縮されます。
そのため、タンパク質、カルシウム、鉄分などが、絹ごし豆腐に比べると2〜3割多く含まれていると言われています。
絹ごし豆腐
絹ごし豆腐は、ビタミンB群やカリウムが木綿豆腐より多いと言われています。
その理由は、木綿豆腐のように水分を切らない分、ビタミンB群やカリウムなどの栄養素が水分と一緒に流れ出さないので木綿に比べて多く残るという訳なのです。
もちろん、木綿、絹ごし、どちらを犬に与えても問題ありません。
タンパク質やカルシウム、鉄分などを摂りたいときは木綿豆腐。ビタミンB群やカリウムなども摂りたいときは、絹ごし豆腐を選んでみるなど、愛犬の健康バランスを考えて豆腐を選んでみるのも良いかもしれませんね♪
豆腐を与える前に知っておきたい事。
豆腐は腹持ちがいいので与えすぎない
高タンパク低カロリーの豆腐は栄養価が高く身体に嬉しい食材ではありますが、脂質もたくさん含まれていますので、豆腐だけを多く与えてしまうと太ってしまう恐れがあります。
しかも、豆腐は腹持ちがいい食材なので、豆腐ばかり与えてしまうとドックフードの食いつきが悪くなる場合も考えられます。
そのため、豆腐を与える時は、ドックフードのトッピングとして少量まぜて与えるか、おやつで豆腐を与えるようにしましょう。
食物アレルギーがないか様子をみよう!
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのですが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があります。
初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか様子を見ててあげるのも大切です♪
豆腐はあまり「冷さない」で与える
私たち人間と同様、犬も食べ物や飲み物は「人肌程度」がもっとも消化吸収されやすいと言われています。
冷たい食べ物や冷えた飲み物をとると胃腸の温度は下がり、上手に機能しなくなってしまうので消化吸収ができにくくなってしまうのです。
また、豆腐の80%以上が水分ですから、冷えた豆腐を与えるとお腹が緩くなって下痢をしやすくなります。
冷蔵庫から出したばかりの豆腐は5℃くらいの冷えた状態ですので、犬に与える際には常温に近い温度か、できれば人肌に近い38~40度ぐらいを目安に温めてると良いかもしれません♪
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回のまとめとしては、
- 犬は豆腐を食べてOK!豆腐には犬の健康をサポートする様々な栄養素が含まれている!
- 木綿豆腐、絹ごし豆腐、含まれる栄養素が違ってくるので、摂りたい栄養から選んでみるのもおススメ!
- 豆腐は脂肪も多く、腹持ちもいいので、与える量には注意が必要。
- 犬に豆腐を与える時は、消化吸収しやすい人肌温度で与えるのがベスト!
木綿豆腐、絹ごし豆腐、いずれも原料は同じ大豆ですが食感や栄養価などは少し違うところもあります。
特に食感で好みも分かれる豆腐ですが、愛犬の摂りたい栄養で豆腐を選んでみるのもオススメですよ。