一度食べた後、根を水につけておくともう一度発芽するエコ野菜「豆苗」。
豆苗はえんどう豆をもやしのように発芽させて育てたもの。発芽したばかりの新芽を食べるスプラウトの一種だ。
実はこの発芽したばかりの新芽には、植物がこれから成長するための栄養が豊富に含まれているのが特徴。
そのうえ、農薬など使わずに育てられているケースが多いところも嬉しいポイントだ!
今回はそんな豆苗にスポットをあて、豆苗の成分や犬への与え方などを紹介していく。
A:スプラウトとは、野菜類や豆類などの種子から人為的に発芽させた新芽のことで、「芽」と「茎」の部分を食用とします。
「発芽野菜」や「新芽野菜」とも呼ばれます。
豆苗の栄養と効能
植物は新芽を出すとき、種の状態では存在しなかった栄養素や成分をたくさん合成する。
豆苗もβカロテン、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸を豊富に含んでいて、たいへん栄養価が高い食材として注目されている。
しかも、これらの栄養成分は一般的な緑黄色野菜を代表する「ほうれん草」「小松菜」「春菊」「ニラ」などの含有量を上回るというのだから驚きだ!
では実際にどのような効能が期待できるか見ていこう。
βカロテン
βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防や老化予防に効果的と言われている。
しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つでもある。
ビタミンK
ビタミンKの役割は、出血した時に血液を固めて止血する働きのほか、骨に存在するタンパク質を活性化し、骨の形成を促す作用がある。
犬は腸内細菌によってビタミンKが合成されると言われているが、それだけで1日の必要量を補えないともいわれている。そのため、普段の食事からも不足しないよう補ってあげたい。
ビタミンC
犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つなのだ。
ビタミンCの主な働きとして、活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」が挙げられ、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促すなど、身体の調子を整えるには欠かすことのできない栄養素なのだ。
まずは元気で新鮮な豆苗を購入しよう
せっかくだから豆苗を選ぶポイントを知っておこう。
豆苗は「根つきの物」と「根を切った物」の2種類あるが、いずれを選ぶにしろ葉が鮮やかで濃い緑色をしていて、みずみずしいものが新鮮。葉がしっかりと開いているものは元気がいい良品だ!
豆苗は根が付いた状態でお店に並んでいることが多い。根を切った物よりも鮮度をキープしやすいので選ぶ時の参考にしよう。
なお、根を切った物は切り口を必ずチェックしよう。切り口が変色していたり、ヨレヨレになっているものは時間が経っている証拠なので注意したい。
豆苗の賢い与え方
番外:豆苗の再生栽培のテクニック
豆苗は1度切り取っても「再生栽培」する楽しみもある。
市販の根付き豆苗を購入して食べる際は、残った根は捨てずに育ててみよう。
一般的には、「切り取って残った根を水に浸して置いておく」という方法なのだが、ここで少しだけテクがある。
それは、切り取る「位置」なのだが、豆苗の根本の茎の近くをよく観察すると、新たに葉が伸びようとしている部分があると思う。
これを脇芽(わきめ)というのだが、調理の際にこの脇芽までカットしてしまうと成長が遅くなる。つまり、脇芽が残るようにカットしてあげると、早く確実に収穫できるというわけだ。
また、再生栽培は雑菌が繁殖するなどのトラブルも生じやすい。衛星を保つためにも、水は1日2回以上取り換えることも忘れずに。
さいごに
季節に関係なく安価で手に入る豆苗は、その栄養価も高く、手軽に使えるので時間がない時のスピード調理にも活躍する。
また、うまく再生栽培を行えば、早ければ1週間ほどで再収穫でき、うまく育てることができれば2回目の再収穫も可能。
愛犬の食事に何か追加してあげたいときなど、サッと摘み取れるよう育ててみるのも面白い。
フードのトッピングや手作り食など、是非きれいな緑色の彩りを加えてみてはいかがだろうか。