ダイエッターやメタボ世代のお助け食材として常に人気を集めている「こんにゃく」。
こんにゃくの原材料は「こんにゃく芋」つまり芋である。
サトイモ科の芋で、原産地はインドシナ半島。大きいものでは直径が30cm以上になり、その種類は世界で100種類以上あると言われているのだから驚きだ。
奈良時代の頃に日本へ伝わったとされていますが、食べるようになったのは江戸時代からと言われている。
そんな伝統的でダイエット食材としても人気の高いこんにゃくだが犬にとってはどうなのだろう。
今回は犬とこんにゃくの相性について紹介していこう。
犬にこんにゃくを与えるメリットは?
結論から先に述べれば、こんにゃくには犬にとって害のある成分は含まれていないので与えても問題はない。
しかし、犬にとって害がないとは言えども、犬にとってどんなメリット・デメリットがあるのだろう。
メリット① 食物繊維が豊富
こんにゃくの主成分は水溶性食物繊維の「グルコマンナン」と呼ばれるもの。
このグルコマンナンは腸内で水分を含んで膨張する作用があるため、腸を刺激して便の排出を促してくれる働きが期待できる。
メリット② 超低カロリー
低カロリー食材としてダイエッターに人気のこんにゃく。
実際のカロリーについては、100gあたり約5~7kcalと超低カロリー食材。
肥満気味の犬にとっては、カロリー調節に使える食材として一役買ってくれる。
犬にこんにゃくを与えるデメリットは?
デメリット① 栄養価の低さ
こんにゃくには犬の健康維持には欠かせない、タンパク質、炭水化物、ビタミンB6、カルシウムやカリウムなどのミネラルも含んではいるが、残念なことにその量は微々たるものでしかない。
犬の身体をつくるうえで必要なタンパク質を見てみると、100gあたり0.1g程度。単に栄養だけで見れば他の食材に置き換えた方が栄養価は高くなってしまうだろう。
デメリット② 尿路結石のリスク
みなさんも「結石」という言葉を1度は耳にしたことがあるだろう。
結石は、尿の中のタンパク質とミネラルが結合し石のような塊になったものである。
尿道や膀胱、腎臓にできるものを「尿路結石」と言うのだが、こんにゃくの原料(こんにゃく芋)には尿路結石の原因物質である「シュウ酸」が含まれている。とは言え、含まれている量は微量であるため特に神経質になる必要はないと思うが、結石を起こしている犬には与えないほうが無難である。
犬に与える場合の注意点
こんにゃくの「アク」は必ず抜く!
そもそも「アク」とは、食物に含まれるえぐ味、渋味、苦味など不快不要とされる成分の総称である。
こんにゃくの原料(こんにゃく芋)には、シュウ酸や凝固剤(水酸化カルシウム)など、臭みやえぐ味の元となるものが含まれているので、犬にこんにゃくを与える際は下茹でしアクを抜くのは重要になってくる。
よく、下茹での際に「塩もみ」したものを熱湯にそのまま入れる場合もあるが、犬に与えるのであれば塩味がついてしまうので、塩もみはせずに、下茹でのみ行うという方法がいいだろう。
ちなみに、前述したシュウ酸は下茹で時に塩を入れてしまうとシュウ酸が溶け出しにくくなってしまうので、塩を加えずに茹でることをおすすめする。
食物アレルギーがないか様子をみよう!
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があるのは知っておこう。
初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか様子を見ててあげるのも大切だ。
こんにゃくは細かく刻む!
こんにゃくと言えば、ぷにぷにした食感が特徴だが、犬はよく噛まずに丸飲みする性質があるため、与えるサイズには注意をしなくてはならない。
思いがけない窒息事故にならないように、細かく刻んでから与えるのがベストだ。
さいごに
犬にこんにゃくを与えても問題はないが、メリットよりデメリットの方が多い食材といえるだろう。
しかし、低カロリーやグルコマンナンなどの良い部分を考えれば、簡単には諦められない良い面もあるのは事実である。
カロリー調整やフードのカサ増しなど、与え方によっては便利な食材にもなってくれそうだ。