犬に「ごま油」を与えても大丈夫?カロリーはどれも一律?

犬 ごま油 カロリー 脂質 与える 大丈夫 アレルギー 与え方
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犬 ごま油 カロリー 脂質 与える 大丈夫 アレルギー 与え方

中華料理はもちろん、和食にも相性のいい「ごま油」。

炒め油として使用されるほか、その香りの強さから料理の仕上げ役としても活躍する万能オイルだ。

ごま油を使うことで食材の風味が際立つことから、もはや食用油の中でもワンランク上の存在感がある。幅広く料理にも使えるため、どこの家庭においても1本は常備してあるのではないだろうか。

 

ごま油は皆さんもご存知の通り「ごま(胡麻)」から作られる食用油の一種。最近では愛犬の健康のために手作りご飯を作る飼い主さんも多いことだろう。

しかし、「油」と聞くと何だかカロリーが高く、身体に悪いイメージがあるが、実際のところはどうなのだろうか。ごま油は、カロリーが高いのか?犬のご飯にも使えるのか?気になる点をリサーチしてみた。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

実は植物系の油脂のカロリーは一律

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ごま油は、ほかの油に比べて香ばしさがあるので、意外にカロリーが高いイメージをお持ちの人も多いことだろう。

しかし、日常でよく使用されるサラダ油をはじめ、オリーブ油、えごま油も同じカロリー。もっと言えば、綿の種子を原料とした綿実油、米ぬか油、あまに油なども同じカロリーある。

 

ごま油のカロリーは、100gあたり921kcal。一見、「えっ!?」っと思ってしまうほど高カロリーな数値ではあるが、サラダ、オリーブ油、えごま油、綿実油、米ぬか油、あまに油も同じ。特別、ごま油だけがカロリーが高いわけではない。

つまり、植物系の油脂のカロリーはどれも一律というわけだ。

 

ちなみに動物系のカロリーはどうなのか。

バター類100gあたりで見てみると、生乳/食塩バター732kcal、生乳(食塩不使用)/750kcalと植物系より低い数値。ただ、牛脂となると940kcalと高くなる。

 

こうして考えると、ヘルシーさが売りのオリーブ油のほうが逆に高くなってしまう。カロリーだけで判断するものではないが、要は使い方や摂取する量次第ではないだろうか。

 

ごま油にはどんな成分が含まれているの?

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ごま油が近年注目される理由として、ごま油に特徴的に含まれる「ゴマリグナン」があげられる。

そのゴマリグナンの中でも「セサミン」は特に強い抗酸化作用を持つと言われており、ガン予防やアンチエイジング効果があるとされている。

やはり、健康に良いとされるごまから絞った油だけあるようだ。まだまだ、健康に良い成分が期待できそうだが、他にはどんな成分が含まれているのかチェックしてみよう。

 

 

セサミン

ゴマの成分である、ゴマリグナンに含まれている成分。セサミンは強力な抗酸化作用を持つと言われており、ガンや老化促進の原因になると言われている活性酸素を減らす働きがあるとされている。

 

 

リノール酸やオレイン酸が豊富

ごま油は、リノール酸とオレイン酸が豊富な油である。

リノール酸は皮膚からの水分喪失を防ぐなど、皮膚のバリア機能には欠かせない成分である。

また、オレイン酸がもたらす効能としては、保湿効果や、皮膚や毛の健康維持、善玉コレステロールには影響を与えず悪玉コレステロールだけを減少させる効果、便通をよくする効果などがあげられるようだ。

 

 

ビタミンE

ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、アンチエイジング効果が期待できる栄養素である。

また、強力な抗酸化作用で活性酸素を無害化すると言われており、動脈硬化の予防に期待ができる。

 

 

ごま油は製法によって、味や栄養価が変化する

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ごま油の製法は大きく分けて「圧搾法」と「抽出法」がある。

圧搾法は昔ながらの製法で、ごまに圧力をかけて油を抽出する。もっとも古い製油方法のひとつであるが、ごま本来の味わいや香りが楽しめるとして現在も利用されている。

 

一方の抽出法は、コストをかけずに大量生産を目的とした製法で、ヘキサンという化学物質を用いてごまから油を溶かし出すやり方である。

ヘキサンは加熱により蒸発するため有害ではないが、圧搾法に比べて香りや味わいが落ちるため、香料などをプラスする場合もあるという。

 

また、抽出方は一気に加熱・蒸留したごまを使うので、熱に弱い栄養素のほとんどが損なわれてしまう。これでは本来のごま油ではなくなってしまうので、無添加や栄養、ごま本来の味わいを楽しむのであれば、安すぎるごま油は警戒したほうがよい。

 

 

 

結論

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ごま油は犬にとって害のある成分は含まれていないので、アレルギーにさえ気を付ければ与えても問題ない。

しかし、油という立場からどうしてもカロリーが高くなってしまうのが難点。ごまが原材料なだけあって健康に嬉しい成分がたくさん含まれているのだが、与える量には注意が必要だ。

 

そのため、愛犬の食事では量を減らすことを心がけるのがよい。ドックフードのトッピングには向かないかもしれないが、手作り食などで使うときにはまず、テフロン加工のフライパンを使うなどして、少量の油で炒めるのがいいだろう。

 

今回、油脂のカロリーを100gあたりでお伝えしてきたが、大さじ1杯(12g)あたりのごま油のカロリーは、111kcalとなるので調理の参考にしてほしい。

 

 

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