世界で一番栄養価の高い果物として、ギネス認定されているほどのスーパーフード、『アボカド』。
とても豊富な栄養素を含んでおり、まろやかでリッチな味わいが日本の食生活でもすっかりおなじみの食材になりましたね。
そんな美味しくて栄養もハイスペックなら「愛犬にも食べさせてあげたい!」と思う方も多いのではないでしょうか。
これ実は、犬にとっては「毒素」が含まれているのはご存知ですか?
この記事では、犬にアボカドを食べさせるリスクについてご紹介していきます。
犬にとってアボカドの毒素とは?
その詳細についてはまだ明らかでない部分が多いのですが、アボカドにはペルシン(persin)という殺菌作用のある毒素が含まれており、人間には無害なのですが人間以外の多くの動物にとっては「毒」であることがわかっています。
では、なぜ人間は大丈夫なのか?
その理由は、人間の体内には何かしらぺルシンを無毒化する機能が備わっているのではないか?と考えられてます。しかし最近発見されたこともあり、はっきりしたことはまだわからないのが現状です。
一方、ペルシンはタモキシフェン(乳がんに対して細胞を破壊する作用)の効果を増強するので、乳がん治療に役立つのではないか、という研究結果が報告されています。
毒性は品種によって違う
アボカドには、メキシコ系、グアテマラ系、西インド諸島系の3系統、その品種は1000品種以上があるといわれています。
一般的に日本のスーパーなどでよく目にするのは、グアテマラ系のHASS種といわれものがほとんどです。このグアテマラ種、実はペルシンを多く含むといわれています。
アボカドを配合してるドックフードもある?
海外ではアボカドを配合しているドッグフードメーカーもあるのはご存知ですか?
カリフォルニアなどでは、庭に実るアボカドを食べてしまう犬もいると言われています。
でも、毒素があるのでは?と、思いますよね。
犬の書籍やインターネットの情報では「アボカドを犬に食べさせたら危険です」との意見が目立ちます。
では、なぜ海外では与えているのでしょうか?
その理由としては
- アボカドの産地や品種によって、ペルシンの量がかなり違うこと。
- ドックフードを加工する段階で無毒化している。
と、言われています。
犬のアボカド中毒について
アボカドを食べたからといって、すべての犬が中毒状態になるわけではありません。
中には食べたけど「それほどでもなかったケース」や「重症化してしまうケース」など個体差があります。
犬のアボカド中毒はアレルギー反応が原因と言われておりますが、アボカドの品種によりペルシンを含む量がかなり違うため、どの程度の量で中毒状態になるのかはっきりわかっていないが現状です。
食べてしまったら
犬がアボカドを誤って食べてしまったら、症状が出るまで12時間程度かかる場合があります。
特にいつもと変わりがなくても、こまめに観察しててあげましょう。
また、下痢や嘔吐をするようであれば早めの受診を受けるのが一番ベストです。
アボカドの中毒症状には胃腸障害程度の軽い症状が多く、後遺症もあまり見られないともいわれています。
しかし、中には心筋障害や肝障害などの重い中毒症状もあるようなので、犬にはアボカドを食べさせない方が飼い主さんにとっても安心ではないのでしょうか。
まとめ
アボカドは、別名「森のバター」とも呼ばれ、血管の健康維持や美肌の維持、アンチエイジングなどに役立つともいわれています。そんなアボカドを「愛犬にもおすそ分けしたい!」と考えている飼い主さんも多いのではないかと思います。
栄養価はたしかに優れていますが、犬にとっては危険な毒素であるペルシンも含まれていることが分かりました。また、果肉だけでなく皮や種の部分にも有毒成分がたくさん含まれていることも知っておくと良いですね。ゴミ箱から皮や種を拾って食べないようにも注意が必要です。
実際に犬がアボカドを食べていいのか?悪いのか?については、賛否両論な意見が多いです。
おやつに少量与えている方もいれば、ドックフードや犬用のおやつに配合されている商品もあります。
心配であれば無理に与える必要はない食材ですし、アボカド入りのドッグフードを与えたい場合は、獣医師さんに相談するといいでしょう。
愛犬のために「食べても安全なものか?」「気をつけなくてはいけない食べ物か?」と考えたとき、リスクがゼロではないので、犬にアボカドを食べさせない方が安心だと考えます。