亜麻仁油は、亜麻という植物の種子で成熟したものから取ることができる黄色っぽい乾性油のことです。
人間が適切に摂取することで、アトピー性皮膚炎の症状を抑えることができて良い効果が得られるとたびたび話題になっています。
話題の亜麻仁油は人間だけでなく犬にも効果があると聞いたことはありませんか?
事実、本当に効果があるのか気になりますよね。何せ人間の食用油なわけですから、効果があるなんて思えません。もしも効果が出るとするなら、どんな効果が得られるのか、適切な量はどれぐらいなのか…
こちらの記事で犬に亜麻仁油を与えることに生じる疑問を解決します。
犬に亜麻仁油って効果ある?
亜麻仁油には代表的なω-3脂肪酸であるα-リノレン酸をはじめとする不飽和脂肪酸がたくさん含まれ、自ら合成することができない必須脂肪酸となっています。
一般的に不飽和脂肪酸は身体の構成成分になったり、血中の中性脂肪やコレステロール量の調節をサポートする働きをしてくれますが、一部の不飽和脂肪酸には脳神経の発達やアレルギー症状の緩和などのサポートをするものもあります。
亜麻仁油に含まれる不飽和脂肪酸は一部の不飽和脂肪酸に当てはまっていて、亜麻仁油を取るとアレルギー症状が緩和されると話題になっているのです。
効果は人間にのみあらわれるわけではなく、なんと犬にも効果があらわれます。
犬に亜麻仁油を与えることによってあらわれる効果として以下の4点が挙げられます。
1.皮膚や被毛を美しく保つ
ω-3脂肪酸を適切に取ることでアトピー性皮膚炎の症状を緩和させる効果がありますが、緩和させると同時に、皮膚や被毛も美しく保たれます。
毛の艶や柔らかさがでるわけですね。
2.様々な炎症を抑えてくれる
関節炎を患っている犬に亜麻仁油を与えると、関節の炎症が鎮まっていき動かしやすくなるという効果があります。
もちろんすぐに効果があらわれるわけではなく、適切な量を与え続けることで徐々に少しずつあらわれるため根気は必要です。
3.高脂血症を抑えてくれる
α-リノレン酸には高脂血症を抑える効果があります。
腎臓病を患ってしまったとき、高い確率で高脂血症になっているそうですが、炎症を抑える作用と高脂血症を抑える作用、二つの作用がる亜麻仁油を取ることで、腎臓病の進行を遅らせることができるます。
4.情報伝達がスムーズになる
亜麻仁油は体内に入るとDHAやEPAに変化します。
DHAやEPAは脳細胞活性化物質になっていくもので、青魚に含まれていると有名です。
脳細胞活性化物質は、脳細胞を柔らかくしてくれて情報伝達がスムーズにいくようにサポートしてくれる成分なのです。
最近は犬の認知症をよく聞きますが、脳にいく情報伝達がスムーズになると認知症にもなりにくくなるという効果を亜麻仁油は持ち合わせています。
犬に亜麻仁油をあげていい量って?
犬に亜麻仁油を与えることで得られる効果はありますが、たくさんの量を与えれば与えるほど効果が出るわけでなく、人間と同様、適切な量を守って取ることで効果が出ます。
効果を出すためにも、量を守って与えることが大事です。
与えすぎは厳禁!
犬種、去勢避妊済みかどうかで与える量は変わりますが、基本的には小さじ1杯程度与えるだけで十分です。
亜麻仁油の栄養成分は脂肪100.0%カロリー1gあたり9.21kcal
小さじ1杯は約4g程度なのでカロリー換算すると36.84kcalほど。
犬は食事乾物当たりの脂質が20%を超えてしまうと膵炎のリスクが高くなります。小さじ1杯程度の亜麻仁油を足しただけで充分なため、小さじ1杯を超える量を与えないように気を付けましょう。
肉や魚にも油分は含まれていて少々難しいことではありますが、便利な犬用亜麻仁油サプリメントもあるので、難しい場合は亜麻仁油サプリメントを活用してもいいかもしれません。
亜麻仁油は危険物第4類の引火性液体に指定されているほどで、与える量だけでなく取り扱いにも注意が必要です。
特に保存方法には注意しなければいけません。
亜麻仁油はものすごく熱に弱く、すぐに酸化しやすい油。揚げ物や炒め物などの加熱調理をするとすぐに酸化し、身体に良い油ではなくなり、身体に有害な油となります。
空気に触れても酸化が進むため、ちゃんとした保存方法を知らないとすでに酸化した亜麻仁油を犬に与えているということになりかねません。
有害なものを与えないように、亜麻仁油を保存する際には以下2つのことに注意しましょう。
1.冷暗所での保存
酸化を遅らせるかつ防ぐためにも、熱や光から遮断をすること。
冷蔵庫に保存することが一番です。
2.密封容器に保存
亜麻仁油は空気が触れているだけでも酸化は進みます。
一度開封したものは空気に触れないように密封容器で保存してください。
それでも完全に酸化を防ぐことや遅らせることは出来ないため、2週間ほどの期間での保存が限界です。
犬に人間用の亜麻仁油をあげていいの?
そもそも犬用と人間用で亜麻仁油は違うのか?と疑問が浮かぶと思います。
大きな違いはなく、入っている量や注ぎ口が違うだけで、人間用の亜麻仁油を犬に与えても特に問題ありません。
犬と一緒に健康意識を高められちゃいます!
先ほども記述した通り、亜麻仁油は長期保存に向いていなく保存方法も少々厄介です。人間用のものを購入しても犬だけに与える場合、余ってしまいもったいないことになりますが、犬用の亜麻仁油は人間のよりも小瓶に入っており、1~2週間でなくなるくらいの量になっています。注ぎ口が保存やふりかけしやすいように工夫されています。
犬だけでなく人間も一緒に亜麻仁油を食べるのなら、人間用で問題ありません。犬だけに食べさせるのなら小瓶である犬用のを購入したほうが、使い切れてもったいないことにならないですよ。
人間用を購入するのなら「低温圧搾法、国産かつオーガニックのもの」に着目して購入してください。亜麻仁油は熱に弱いので、酸化しない製法で作られているものを最低基準として、ぜひ覚えておいてください。
犬用、人間用関係なく亜麻仁油を与える際の注意点は、何度も言っていますが与える量には注意してくださいね。
犬に亜麻仁油の与え方を紹介
犬に亜麻仁油を与える際は小さじ1杯程度の量を、生で、ドッグフードにかけるのがベストです。
残ってしまった場合には、そのまま放置はせず捨てましょう。亜麻仁油は空気に触れただけで酸化が進むため、そのうち食べるだろうという考えで放置してしまうとすでに酸化が進んでしまい、酸化した亜麻仁油を犬に与えてしまうことになります。
酸化した亜麻仁油を食べてしまうと、犬のお腹が緩くなってしまったり逆効果になってしまうので要注意です。
ドッグフードにかけるのも1日1回のみ。
小さじ1杯程度で十分な効果があります。小さじ1杯を1日に2回かけてしまったら逆効果で、太ってしまったりお腹が緩くなりますので、朝夕どちらか1回与えましょう。
継続的に与える量を守ることで、徐々に効果も出てきますので長期的にやってみてください。
稀に亜麻仁油自体が体に合わない犬もいます。
開けてすぐの亜麻仁油で適量をあげたのに、お腹が緩くっているなど逆にアレルギー症状が出てしまった場合は使用を中止して動物病院へ連れて行ってください。
犬に亜麻仁油の効果はあるの?まとめ
いかがでしたか?
亜麻仁油は人間だけでなく、犬にも効果があり大変優れています。人間用の亜麻仁油でも与えることが出来るので、犬と一緒に健康を目指すことも出来るのが魅力的ですね。ただし人間の適量と犬の適量は違ってくるので、与え量にはご注意してください。
自分は食べないけど、犬のために与えたいなと犬だけに亜麻仁油を与えるなら犬用の亜麻仁油やサプリメントもぜひご検討してみてください。