昔から「食べると物忘れがひどくなる」と言われていた「みょうが」。でも、それはあくまでも言い伝えの話。
それどころか、みょうがの香り成分には集中力を増す効果が明らかになっているほどだ。
みょうがと言えば薬味の定番。薬味なので大量には食べないが、しっかり用意すると格段に料理の完成度や見た目も彩ってくれる便利な食材である。
もちろん、害がある成分は含まれていないので、犬に与えても問題ないのだが、苦味を含む独特の風味があるため心配される方も多いだろう。
ここでは、みょうがの栄養や効能、与え方などを紹介していく。
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みょうがの栄養と効能
みょうがは、ショウガ科・ミョウガ属に分類される宿根草(しゅっこんそう)の多年草である。
薬味として一般的に食べられるのは、みょうがの地下茎からでる花穂の部分。地上の茎からではなく、地下茎から花が咲く前の段階を食用としているため「花みょうが」とも呼ばれている。
成分の9割以上が水分で占められ、100gあたり12kcalと低カロリーな食材だ。
葉酸
葉酸の名前はほうれん草に由来し、貧血の研究を元に発見されたと言われている。
葉酸といえば、妊娠初期に必要となる栄養素であるが、その理由は細胞の生成に必要な栄養素だから。
犬は腸内細菌によって多少の葉酸が作られるというが、犬の1日の必要量を満たしているかまでは明らかになっていない。不足しないよう普段の食事からも補っていきたい栄養素だ。
αピネン
聞きなれない成分だが、αピネンはみょうがの芳香成分である。
大脳皮質に働きかけ眠気を取り除き神経の興奮を静め、またストレスを和らげる効果もある。さらには、血行を良くして消化を促す働きもあるので、食欲不振や夏バテの予防に効果的と言えるだろう。
ちなみに、このαピネン。自然の木々にも多かれ少なかれ含まれている。
森林浴などで心安まるものがあるのは、知らず知らずのうちに、かすかな木々の香りの中でその影響を受けている、というわけだ。
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。
別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。
ビタミンB2 (リボフラビン)
糖質、脂質、タンパク質を分解する酵素のサポート役として働く。
別名「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしてくれる。ほかにも、皮膚、被毛、爪などの細胞を作るためにも必要と言われている。
カリウム
近年、高血圧や脳卒中の予防などにもつながる重要な栄養素として注目されているカリウム。
体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
みょうがの与え方と注意点
みょうがは傷むのが早い食材
生のみょうがはあまり日持ちしない。購入してそのままにしておくと、実のしまりがなくなって、触るとフカフカしてくるので、常温での放置はNG。
みょうがの傷み具合は、見た目と匂い(異臭)で判断できるが、まれに内部が変色している時がある。これは、同じ野菜でも店頭に並ぶまでの時間と鮮度に大きな差があるからだ。
そのため、みょうがの購入後は必ず冷蔵庫の野菜室へ。3~4日はもつ。
また、すぐに使い切れない場合は、水気を切って冷凍保存するのもおすすめ。凍ったまま刻むことができるので便利だ。もちろん刻んで小分けにしておくのも使い勝手が良い。
上手に保存して、愛犬にはフレッシュなみょうがを食べさせてあげよう。
みょうがの与え方
丸かじりさせる飼い主さんはいないだろうが、犬には消化に良いよう細かく刻んで与えるのが鉄板。
みょうがには食物繊維も含まれているため、消化不良にならないよう手を抜かずに行いたい。
切り方としては縦半分に切り、それを繊維を断ち切るように輪切りにして細かく刻むといいだろう。
刻んだ後は水にさらして軽くアクを取るのも忘れずに。
茹でて与えるのもアリ!?
もちろん生で与えても問題はないが、その辛味と香りが特徴的なだけに、犬の食いつきが悪くなってしまうこともあるだろう。
そんな時はみょうがを茹でてやると、辛味や独特の香りもおさえることができておすすめ。
生で与えるよりも加熱調理した方が消化しやすいというメリットもあるので、愛犬の体調を見ながら上手に使い分けてほしい。
さいごに
ネギや生姜と比べるとさらに一段階レベルの高い薬味というイメージがある、みょうが。
その香味成分には、頭をスッキリさせ、ストレスを和らげてくれる効果があることが分かった。
ぜひ与え方をマスターして、愛犬の食事にも取り入れていこう。