【専門家監修】犬にゼリーを与えても大丈夫?与え方や量・注意点を紹介

犬 ゼリー
Pocket

フルーツの果汁やヨーグルトなどがたっぷりのゼリーはつるりとしたノドごしが美味しく、見た目もきれいで手軽なデザートですよね。

素材の種類もたくさんあってゼラチンや寒天やコンニャクなどそれぞれ違う食感を楽しむことができるのも楽しいですね。

味や香りもさまざまな種類のあるゼリーですが、甘い香りに誘われた愛犬が欲しそうに見ていたら与えたくなってしまうのが人情です。

ただ、犬用ゼリーが別に売られているのに、人間用のゼリーを与えても大丈夫なのでしょうか?

ここでは犬に人間用のゼリーを与えて良いのか、与えるとしたらどんな注意が必要なのか、

そして犬用のゼリーとの違いなどをご紹介します。

【専門家監修】応武 梓

専門家 監修
【動物関係の保有資格】アニマルヘルステクニシャン、ペットグルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナー

 

犬にゼリーを与えても大丈夫?

犬には犬用のゼリーを与えるのが安心です。

できれば人間用ゼリーは食べさせない方が良いのですが、飼い主さんが食べているゼリーをねらって、可愛らしくおねだりされたらあげたくなりますよね。

そんなお悩みを持つ飼い主さんにひと言、少しだけなら愛犬に人間用のゼリーを与えても大丈夫ですよ。

人間では食欲がない時に足りない栄養をゼリーで補充することができ、夏の暑い時はゼリーで水分を補給することもできます。

それは犬にとっても同じことで、愛犬の夏バテを防止するのにゼリーを食べさせると元気になりますよ。

なお、ゼリーを犬に与えるのに少量なら大丈夫ですが、量に関係なしに食べさせてはいけない種類のゼリーもあるので気を付けてください。

 

ゼリーの成分の違いについて

人間用のゼリーの食感を作る素材はこれまでゼラチン、寒天、こんにゃくの3種類でしたが、最近ではアガーという植物性の素材が注目されています。

また、どの素材で作られたゼリーも成分のほとんどは水分です。

 

ゼラチン

ゼラチンは動物のコラーゲンから作られるたんぱく質で、犬にとっても貴重なタンパク源となります。

ゼリー素材の中では最も口どけがよくて、プルンとやわらかい食感です。

ムースやババロアなどにも使われています。

 

寒天

テングサやオゴノリなどの海藻から作られていて、なめらかなで歯切れのよい食感です。

ゼラチンと比べると透明感はあまりなく弾力もありませんが、食物繊維が多く含まれています。

 

コンニャク

コンニャク由来の水溶性の食物繊維の粉で作られたこのゼリーは弾力の強さがあります。

食物繊維の効果によってダイエット食品として人気ですが、犬にとっては消化しにくいことと、熱などで溶けないためにしっかりそしゃくして食べる必要があり、食物をかまずに丸飲みする犬にとっては食べづらく、ノドに詰まらせる危険性があります。

 

アガー

海藻やマメ科植物の種などから採った無味無臭の成分で作られています。

ゼリー素材の中では最も透明度が高く、食感はゼラチンと寒天のちょうど中間くらいです。

寒天とともにゼリーのほかには水ようかんなどに良く使われています。

 

ゼリーを犬に与える際の注意点・与えてはいけないゼリーも紹介

いずれのゼリーも少量であれば犬に与えても問題はありませんが、コンニャクゼリーはできるだけ犬には与えないようにしてください。

食物繊維の摂り過ぎてお腹をこわす心配もさることながら、丸飲みによってノドを詰まらせるのが心配で、人間でも子供やお年寄りがノドを詰まらせて窒息する事故が起きています。

その他の成分では犬が丸飲みしてもある程度は食道内などで崩れ、詰まる可能性は低いです。

以下、人間用ゼリーを犬に与える際の注意点をご紹介します。

 

人間用ゼリーへの味付けに使うエキスや添加物に注意

ゼリーは上記の素材に果汁エキスや飲料、あるいは果実などを加えて固めたものです。

ここで問題となるのは、それらの中に犬に与えてはいけないものがあるということなのです。

例えばコーヒーゼリーにはコーヒーに含まれるカフェインが中毒を起こす心配があるので、犬に食べさせてはいけませんし、同じ理由で紅茶やコーラなどカフェインを含むゼリーはNGです。

さらに、ほかにはチョコレート(ココア)やブドウなども犬に与えてはいけません。

また、最近は人工甘味料キシリトールが入っているゼリーがありますが、キシリトールもまた中毒を起こすことが知られていて犬に食べさせてはいけません。

いずれにしてもネットなどで犬が中毒を起こすものや、身体によくないとされる食品を調べてから与えるようにしてください。

 

糖分の摂り過ぎに注意

そしてもう一つは人間用ゼリーには犬にとっては糖分が多過ぎることです。

人間用ゼリーを犬に与える際は量を少しにして糖分を控える必要があります。

喜ぶからと、与え過ぎないようにして愛犬の健康を崩さないようにしましょう。

 

アレルギーに注意

ゼリーに限りませんが、犬に初めて食べさせる時には少量から与えることでアレルギーの発現を早く発見することができます。

もし、食後の様子がいつもとちがったら、獣医さんに連絡するか病院に連れていき、食べた物や量、時間などを伝えて処置してもらってくださいね。

 

犬に与えるなら犬用ゼリーと手作りゼリー

ここまでは人間用ゼリーを犬に与えることについて触れてきましたが、実のところは犬に与えて安心なのは市販の犬用ゼリーと飼い主さんの手作りゼリーです。

犬用ゼリーには用途に合わせたさまざまなタイプのものが発売されています。

元気な愛犬にはオヤツとして与えることができて、病気や加齢などで食欲が落ちた愛犬には不足している栄養の補充に使えるほかや水分の補給が必要な場合にも最適なアイテムです。

特に高齢の犬にはさまざまな成分を補充できるゼリーがそろっています。

また、手作りゼリーを作ろうとする飼い主さんはゼラチンを使うと簡単に作ることができます。

手順は具材となるエキスなどを用意したら、温めて溶かしたゼラチンに混ぜて冷やして固めるだけで、糖分や塩分の量に気を付けておけば、愛犬にとって最適なゼリーを作ってあげることができますよ。

オヤツとして作ってあげるのもよいですし、肉、魚、野菜などの食材でフレンチ料理の「ゼリー寄せ」のようなご飯を作ってあげることができます。

ネットなどにたくさんのレシピが上げられていますので、参考にしてはいかがでしょうか。

 

犬にゼリーを与えて大丈夫?まとめ

ゼリーは選び方と与え方をきちんと考えて与えれば犬にとっては有用な食材です。

栄養補助食品としても使えますし、水分が足りない時にオヤツがてらの補給用としても活躍するでしょう。

また、体調不良で食欲が落ちた愛犬や高齢の犬の主食としても役に立つ食材です。

ただし、ドッグフードなどでバランスの取れた食事をしている愛犬に無理に与える必要はありません。

ゼリーが気に入ってしまいドッグフードを食べなくなってしまったなどという声もよく耳にします。

元気な犬にはあくまで栄養を補助するオヤツとして与えるのがよいでしょう。

また、ゼリーはお薬を飲ませる際にも役に立ちます。

ご飯などに混ぜてもいやがる愛犬には甘いゼリーに混ぜて与えるとしっかり飲ませることができるので、ぜひお試しください。

こちらの記事もチェック!犬に寒天を与えても大丈夫!種類と与え方も